入院直後、体が思うように動かず、唾すら飲み込めなかった時期があった。あのときは正直、この先の人生を悲観して、いっそもう死んでしまおうかと考えたこともある。34歳という若さでの発症で、この先の長い人生をどう生きていけばいいのか、まったく見えなくなっていた。その後もリハビリがうまくいかない時期や、なかなか復職できない時期に、何度も落ち込んだ。それでも今こうして、笑って生活できている。あのとき感じていた気持ちと、そこからどう回復していったかを、正直に書いておきたい。
発症直後——将来を悲観した日々
入院した直後の自分は、体がまったく思うように動かず、唾を飲み込むことすらできない状態だった。今までできていたことが何ひとつできなくなって、この先どうやって生きていけばいいのか、まったく想像がつかなかった。34歳という、まだこれから何十年も人生が続くはずの年齢での発症だったからこそ、その先の長い時間をどう過ごせばいいのか分からなくなり、深く悲観していた時期があった。
リハビリと復職——揺り戻す落ち込み
体が少しずつ回復していく中でも、気持ちが安定していたわけじゃない。リハビリがうまくいかないと感じたとき、復職がなかなか叶わなかったとき、その都度、また落ち込むということを繰り返した。回復は一直線じゃなくて、良くなったり、また落ち込んだりを行ったり来たりするものだったと思う。

どうやって気持ちを立て直したか
特別なきっかけがあったわけじゃない。体調が徐々に回復していくのと並行して、ネガティブな感情も少しずつ薄れていった。そうしているうちに、「生きていればいいこともあるし、楽しいこともある」と、自然に気持ちがポジティブな方向に切り替わっていったという感覚がある。
誰かに相談したとか、特別な方法で乗り越えたというよりは、時間の経過と、日常が少しずつ戻ってくる感覚の積み重ねが、俺にとっては一番効いたんだと思う。
脳卒中後うつという現象について
これは俺自身が経験したことではないけど、調べてみると「脳卒中後うつ病」と呼ばれる状態が、脳卒中患者の20〜30%程度に見られるという報告があるらしい。発症から3〜6ヶ月後に出やすいとされる一方で、2〜3年経ってから発症するケースもあるようだ。
この状態は単なる気分の落ち込みにとどまらず、身体機能や認知機能の回復を遅らせてしまうこともあると言われている。だからこそ、闘病中の気持ちの落ち込みは「甘え」でも「気合いが足りない」わけでもなく、脳卒中という病気そのものに伴いやすい、れっきとした症状のひとつなんだと理解しておくことが大事なんだと思う。

一人で抱え込まなくていい——相談窓口という選択肢
俺自身は、カウンセリングや精神科・心療内科を利用したことはないし、家族や友人に特別支えてもらったという実感もない。時間の経過とともに、自然と気持ちが立て直せたタイプだった。
ただ、これは俺がたまたまそうだっただけで、誰もが同じように回復できるとは限らない。実際、精神保健福祉センターなどの公的な相談窓口や、心療内科・精神科といった専門家に話を聞いてもらうことも、立派な選択肢のひとつだ。もし今、当時の俺と同じように将来を悲観して辛い気持ちを抱えている人がいたら、一人で抱え込まず、誰かに話す、専門機関に相談する、という選択肢があることを知っておいてほしい。

まとめ
発症直後、体が動かず、この先の人生を悲観して、いっそ死んでしまおうかと考えたこともあった。それでも時間をかけて、少しずつ気持ちは回復していった。今なら、あのとき感じていた絶望が、永遠には続かないものだったと分かる。
生きてればいいことある。これが、あの時期を乗り越えた俺から、今つらい思いをしている誰かに伝えたい、一番シンプルな言葉だ。
著者:のぞむ(脳梗塞・心不全・糖尿病の当事者)
自分の闘病経験が、誰かの「まさか自分が」を防ぐヒントになれば、このブログを書く意味があると思っています。
※この記事は当事者の体験と公開情報をもとに作成しています。医療上の判断は必ず医師にご相談ください。もし今、心身の辛さを一人で抱えている場合は、無理をせず、心療内科・精神科や公的な相談窓口に頼ってみてください。


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