正直に言います。
俺は脳梗塞を発症した後も、お酒を飲んでいます。「飲んでいいのか」と聞かれれば、
主治医からは「量に気をつけてください」と言われています。
「やめろ」とは言われていませんが、
「以前と同じように飲んでいいわけでもない」とも思っています。この記事では、脳梗塞とアルコールの関係を
正直なところも含めて整理していきます。
「少量なら脳梗塞リスクを下げる」は本当か
アルコールと脳梗塞の関係は、実は「全部NG」とは言い切れない複雑なものです。
国立がん研究センターの多目的コホート研究によると、日本酒換算で1日1合未満の飲酒をしている人は、まったく飲まない人と比べて脳梗塞の発症リスクが約4割低かったという結果があります。
アルコールには善玉コレステロール(HDL)を増やす作用があり、血液を固まりにくくする効果もあるとされています。これが「適量の飲酒は脳梗塞リスクを下げる」と言われる根拠です。
ただし、重要な注意点があります。この効果はあくまで「適量」に限った話であり、飲まない人に飲酒を勧めるものではありません。また、アルコールを分解する酵素を持っていない体質の方には当てはまりません。
大量飲酒は明確にリスクを高める
適量には一定の研究がある一方、大量飲酒は脳梗塞リスクを明確に高めます。
アルコール摂取量が日本酒換算で1日2.5合(純アルコール約60g)を超えると、脳梗塞のリスクが約1.7倍になるというデータがあります。また、大量飲酒が続くと以下のリスクも高まります。
- 高血圧:大量のアルコールは血圧を上昇させ、脳梗塞の最大リスク因子である高血圧を悪化させます
- 脱水:アルコールには利尿作用があり、血液が濃くなって血栓ができやすくなります
- 不整脈:大量飲酒は心房細動を誘発しやすくなります
- 肥満・糖尿病の悪化:カロリーが高く、血糖値を乱します

脳梗塞後の飲酒で特に注意すべきこと
① 発症直後〜3か月は飲まない
治療中は「絶対に」飲んではいけません。脳梗塞の治療が節目を迎える発症後2〜3か月は、飲酒を避けることが強く推奨されています。
② 脱水に特に注意する
脳梗塞後の再発予防において、脱水は特に怖い要因のひとつです。アルコールの利尿作用によってトイレの回数が増えてきたら、水や麦茶に切り替えてください。就寝2時間前には飲むのをやめ、酔いが覚めてから寝ることで就寝中の脱水を防げます。
③ 後遺症がある場合はさらに慎重に
麻痺や運動失調が残っている場合、飲酒後のふらつきや転倒リスクが高まります。また、脳梗塞後は「以前より酔いやすくなった」と感じる方が多く、飲み始めは少量から慎重に試してください。
④ ワーファリン服用中は特に注意
抗凝固薬のワーファリンを飲んでいる場合、アルコールが薬の効果に影響を与えることがあります。飲酒量については必ず主治医に確認してください。
適量の目安
一般的に「適量」とされるのは、純アルコール換算で1日20g程度です。これはビール中瓶1本、日本酒1合、ワイングラス2杯弱、チューハイ350ml缶1本に相当します。
ただし適切な飲酒量には個人差があります。「夜間や翌朝にのどの渇きを感じる量は飲みすぎ」「食事がおいしくなる程度・声が大きくならない程度」という感覚が実践的な目安になります。
また週に1〜2日は休肝日を設けることが推奨されています。
俺は飲み続けていますが、
量は以前より明らかに減りました。「飲んでいいか」より「どう飲むか」を考えるようになりました。
脱水に気をつける、翌朝に残さない量にする、
飲んだ後は水を飲んでから寝る——
そういう小さな意識の積み重ねが大事だと思っています。お酒をやめられない自分を責めるより、
「正しく付き合う方法」を知ることの方が現実的だと、
今は思っています。
まとめ
- 日本酒1合未満の少量飲酒は脳梗塞リスクをやや下げるという研究があるが、飲まない人に勧めるものではない
- 大量飲酒は脳梗塞リスクを明確に高める(2.5合超えでリスク約1.7倍)
- 発症直後〜3か月は飲酒を避ける
- 脱水・血圧上昇・転倒リスクに特に注意する
- 適量の目安は純アルコール1日20g程度。週1〜2日の休肝日を
- ワーファリン服用中は主治医に必ず確認する
- 「飲むか飲まないか」より「どう飲むか」を意識する


著者:のぞむ(脳梗塞・心不全・糖尿病の当事者)
自分の闘病経験が、誰かの「まさか自分が」を防ぐヒントになれば、このブログを書く意味があると思っています。
※この記事は当事者の体験と公開情報をもとに作成しています。医療上の判断は必ず医師にご相談ください。


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