脳梗塞を発症してから十数年後、心不全が見つかりました。
検査入院でカテーテル検査を受けた結果、
そこまで進行していないとわかり、
服薬治療と数か月ごとの定期検査を続けることになりました。「脳の病気と心臓の病気がなぜ重なるのか」
最初は不思議に思いましたが、調べていくうちに
心臓と脳は深くつながっていることがわかってきました。
この記事では、脳梗塞と心不全・心臓病の関係を整理します。
心臓が原因で起きる脳梗塞がある
脳梗塞の原因はひとつではありません。動脈硬化・血管の解離・血栓など、さまざまな原因がありますが、そのなかに「心臓が原因で起きる脳梗塞」があります。
これを心原性脳塞栓症(しんげんせいのうそくせんしょう)といいます。心臓の中にできた血栓(血の塊)が血流に乗って脳に運ばれ、脳の血管を詰まらせることで起きます。
脳梗塞全体の約30%が心臓が原因で起きているとされており、決して珍しいケースではありません。

心原性脳塞栓症の特徴
心原性脳塞栓症は、脳梗塞のなかでも特に注意が必要なタイプです。
心臓からの血栓は比較的大きく、脳の太い血管を詰まらせることが多いため、症状が重くなりやすく、再発しやすいという特徴があります。発症後に重篤な後遺症が残るケースも多く、半数が寝たきりなどの重症になるとも報告されています。
心原性脳塞栓症の主な原因——心房細動
心原性脳塞栓症の原因として最も多いのが**心房細動(しんぼうさいどう)**という不整脈です。
心房細動とは、心臓の上の部屋(心房)が小刻みに不規則に震える状態です。心房内の血流がよどむことで血栓ができやすくなり、それが脳に飛んでいくことで脳梗塞が起きます。
心房細動の厄介な点は、約4割の人が無症状であることです。動悸やめまいなどの自覚症状がなく、心電図検査でも発作のタイミングでなければ見つからないこともあります。
心不全も脳梗塞リスクを高める
心不全とは、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなる状態です。
心不全があると心臓内の血流が滞りやすくなり、血栓ができるリスクが高まります。また、心不全に心房細動が合併するケースも多く、そうなると脳梗塞のリスクはさらに上がります。
心不全・高血圧・糖尿病・75歳以上・脳梗塞の既往——これらの危険因子を点数化した「CHADS₂スコア」という指標があり、点数が高いほど心原性脳塞栓症のリスクが高いとされています。脳梗塞の既往がある場合はこのスコアで2点が加算されるため、再発予防として心臓の管理が特に重要になります。
俺が心不全と診断された時、
「脳梗塞とは別の話」と最初は思っていました。でも心臓と脳がつながっていることを知ってから、
「心臓の管理も再発予防のひとつなんだ」と
捉え方が変わりました。幸い、カテーテル検査の結果そこまで進行していなかったので、
今は服薬と定期検査で経過を見ています。
定期的に心臓の状態を確認し続けることが、
脳梗塞の再発予防にもつながっていると思っています。
脳梗塞後に心臓の検査が重要な理由
脳梗塞を発症した後、心臓の検査が行われるのはこうした理由からです。原因が心臓にある可能性を確認し、再発予防の方針を決めるために、心電図・心エコー・ホルター心電図などの検査が実施されます。
特に心房細動は発作性の場合、通常の心電図では見つからないことがあります。長時間記録できるホルター心電図などで継続的に確認することが大切です。
心臓と脳、両方を管理するということ
心不全や心房細動がある場合、脳梗塞の再発予防として抗凝固薬(ワーファリン・DOACなど)が処方されることが一般的です。これは心臓内で血栓が作られるのを防ぐための薬です。

心臓と脳の両方を管理するには、循環器科と脳神経内科の連携が重要です。「どちらか一方だけ」ではなく、両方の専門家と連絡を取り合いながら治療を進めることが再発リスクを下げることにつながります。
複数の科を受診し続けるのは正直面倒な部分もあります。
でも「心臓の管理が脳を守ることにもなる」と知ってからは、
通院の意味が腑に落ちた感覚があります。
「なぜやるのか」がわかると、続けやすくなります。
まとめ
- 脳梗塞の約30%は心臓が原因(心原性脳塞栓症)
- 心原性脳塞栓症は重症化しやすく再発しやすい
- 原因として最も多いのは心房細動。約4割は無症状で気づきにくい
- 心不全も心臓内の血栓を作りやすくし、脳梗塞リスクを高める
- 脳梗塞後は心電図・心エコーなど心臓の検査も重要
- 抗凝固薬による治療と、循環器科・脳神経内科の両方への通院が再発予防の柱

著者:のぞむ(脳梗塞・心不全・糖尿病の当事者)
自分の闘病経験が、誰かの「まさか自分が」を防ぐヒントになれば、このブログを書く意味があると思っています。
※この記事は当事者の体験と公開情報をもとに作成しています。医療上の判断は必ず医師にご相談ください。


コメント