「もう仕事に戻れないんじゃないか」
入院中、そう思った時期がありました。
でも、退院して、リハビリを続けて、
結果的に俺は元の職場に戻ることができました。脳梗塞後の仕事復帰は、「できるかどうか」よりも
「どう進めるか」が大事だと、経験して思います。
この記事では、復職までの流れと知っておくべきポイントを整理します。
「すぐに辞めない」が最初のポイント
脳卒中を発症すると、患者さんご自身が退職を決めてしまうだけでなく、患者さんの意識が戻る前にご家族が「働くのは無理だ」と判断し、会社に退職の連絡をしてしまうケースも見受けられます。しかし、発症直後に退職などの大切な決断をすることは避けましょう。
入院中は体・気持ち・状況すべてが不安定です。回復の見通しが立っていない段階で「もう働けない」と判断するのは早すぎます。まず休職制度を使いながら、回復の経過を見て判断することを強くおすすめします。

脳梗塞後の復職率はどのくらい?
脳卒中からの復職率は、重症度や会社の規模・職場の環境・雇用形態などによって大きく異なりますが、日本では30〜60%程度といわれています。多くの患者さんが発症後3〜6か月で復職しており、次に多いのが発症後1年〜1年半での復職です。
後遺症の程度によっては同じ業務に就けない場合もありますが、業務内容や時間を調整することで復帰できるケースも多くあります。「脳梗塞=もう働けない」ではありません。
復職までの流れ
STEP 1:主治医に相談する
復職を希望する場合、まず主治医に「仕事に戻りたい」と伝え、医学的な評価を受けます。
どのような動作をどのくらいの時間・速度で行う必要があるかなど、業務内容を詳細に把握することが必要です。担当していた仕事の内容をできるだけ細かく正確に医師に伝えましょう。また、通勤に伴う負担も大切な情報のひとつです。
STEP 2:会社の窓口に定期連絡を入れる
入院中から退院後にかけて、会社の直属の上司や人事担当者と定期的に連絡を取り合うことが重要です。「どのくらいの期間休むのか」「いつ頃復帰できそうか」を共有しておくことで、職場側も動きやすくなります。
俺は入院中から上司に連絡を入れていました。
「いつ戻れるかわからない」という状況でも、
定期的に現状を報告するだけで、
職場との関係がつながっている感覚があって、
それが精神的にも少し楽でした。
STEP 3:復職の条件・配慮を職場と相談する
後遺症の程度によっては、時短勤務・業務内容の変更・デスクの位置変更など、職場側の配慮が必要になることがあります。事前に「できること・難しいこと」を整理して伝えることで、復帰後のミスマッチを減らせます。
STEP 4:段階的に復帰する
いきなりフルタイムに戻るのではなく、まずは短時間・軽業務から始めて、徐々に負荷を上げていく「段階的復職」が一般的に推奨されています。
使える支援制度を知っておく
両立支援コーディネーター
患者さん・ご家族・医療者・職場の間に立って調整を行う専門家です。復職をめざすときに欠かせない橋渡し役で、全国で養成が進められています。病院の「相談支援室」や「地域連携室」に問い合わせてみてください。
産業医との連携
会社に産業医がいる場合(従業員50人以上の職場に配置義務あり)、産業医を通じて職場と医療者の情報共有がスムーズになります。復職率を高める有効な手段のひとつです。
「完全に元通り」でなくても働ける
俺も復職してから、「以前と同じようにできない」と感じることがありました。
疲れやすくなった、集中力が続かない——
でも「できないこと」があっても、「できること」はたくさんある。完全に元通りでなくても、働き続けることはできる。
そう実感したのは、復帰してしばらく経ってからでした。
まとめ
- 発症直後に退職を決めない。まず休職制度を活用する
- 復職率は30〜60%。後遺症があっても復帰できるケースは多い
- 発症後3〜6か月での復帰が最も多い
- 主治医への相談・会社への定期連絡・段階的復職が基本の流れ
- 両立支援コーディネーター・産業医を積極的に活用する


著者:のぞむ(脳梗塞・心不全・糖尿病の当事者)
自分の闘病経験が、誰かの「まさか自分が」を防ぐヒントになれば、このブログを書く意味があると思っています。
※この記事は当事者の体験と公開情報をもとに作成しています。医療上の判断は必ず医師にご相談ください。


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