俺はもともと汗っかきだった。
だから最初は「まあ、そういう体質なんだろう」と思っていた。でも脳梗塞を発症して温痛覚麻痺になってから、明らかに何かが変わった。特におでこからの汗の量が、それまでとは比べ物にならないくらい増えたのだ。
「これ、脳梗塞のせいだよな」と確信するのに時間はかからなかった。発症してすぐ、そう感じた。
雨と間違われる男
症状でいちばん厄介だったのは、おでこからの汗だ。
少し歩いただけでびしょびしょになる。建物の中に入ると、「え、雨降ってるの?」と聞かれることが何度もあった。髪が濡れているから、傍から見れば本当に雨に打たれてきた人間に見えるらしい。
滝、という表現がちょうどいい。顔を汗が伝って垂れてくる。ハンカチで拭いても追いつかないから、タオルが必需品になった。リストバンドもよくはめていた。帽子を被って、汗が流れるのをごまかしたりもした。
季節は関係ない。夏はもちろんひどいが、冬だって出る。冷房の効いた室内でも出る。動いた後はもちろんだが、じっとしていても出る。焦ったり緊張したりしても出る。要するに、「汗をかかない瞬間」がほとんどなかった。
恥ずかしかったし、外出が億劫だった
身の回りの人には事情を話していた。脳梗塞の後遺症だと説明すれば、みんな納得してくれた。でもそれ以外の人には「汗っかきで」と言って通すしかなかった。
恥ずかしかった。外出が億劫になることもあった。
「どうすればいいんだろう」とは思っていた。でも、どこに相談すればいいのかもわからなかった。脳梗塞の後遺症として温痛覚麻痺があって、その影響で汗の調節がうまくいっていない——頭ではそう理解していても、「じゃあどこの病院に行けば治るの?」という答えが出てこなかった。
モヤっとしたまま、時間だけが過ぎていった。
著者:のぞむ(脳梗塞・心不全・糖尿病の当事者)
自分の闘病経験が、誰かの「まさか自分が」を防ぐヒントになれば、このブログを書く意味があると思っています。
※この記事は当事者の体験と公開情報をもとに作成しています。医療上の判断は必ず医師にご相談ください。


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