2022年、47歳のある夜、寝ていたら急に息苦しくなって、病院に駆け込んだ。それが心不全が見つかったきっかけだった。
思い返せば、階段を上ったり少し運動しただけで動悸や息切れがすることが増えていた。でも「歳のせいかな」くらいにしか思っていなかった。
脳梗塞になってからは、脳や血管のことばかり気にしていたから、まさか心臓まで、という気持ちもあった。
今回は、俺が経験した症状・検査・治療をベースに、心不全とはそもそもどんな病気なのかを整理する。
心不全とは何か
心不全とは、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送れなくなった状態の総称だ。特定の病名というより、心臓の機能が弱った結果として起こる状態、というイメージが近い。
残念ながら心不全は「治る」病気ではないらしい。症状をコントロールしながら悪化を防ぎ、病気と上手に付き合っていくことが治療の目標になる。
心不全のサイン——俺が見逃していた症状
心不全の代表的な症状には、以下のようなものがある。
- 階段や坂道での息切れ、動悸
- 疲れやすさ
- 足のむくみ(足の甲や足首、すねに出やすく、指で押すと跡が残る)
- 横になると息苦しく、体を起こすと楽になる(起坐呼吸)
- 夜中に息苦しさで目が覚める
- 急な体重増加
- 夜間頻尿
俺の場合、はっきり自覚していたのは「階段や軽い運動での動悸・息切れ」だった。でも、それを「歳のせい」で片付けてしまっていた。実際は心不全のサインだった。
脳梗塞後は、疲れやすさや倦怠感を後遺症として感じている当事者も多いと聞く。似たような症状でも背景にある原因が違うことがあるので、気になる人はこちらも参考にしてほしい。

急性と慢性の違い
心不全には、数分〜数日で急激に悪化する「急性」と、数ヶ月〜数年かけてゆっくり進行する「慢性」がある。急性は命に関わることもある一方、慢性は体が不調に慣れていくため、本人が異変に気づきにくいという特徴があるらしい。
俺のケースを振り返ると、おそらく心臓の機能は慢性的に少しずつ落ちていて、それがある夜、急に息苦しさとして表面化したのだと思う。
心不全の検査——俺が受けたカテーテル検査
心不全が疑われると、まず問診のうえで、血液検査(心臓への負荷を示すBNPという数値を確認する)、心電図、レントゲン、心エコーといった検査が行われる。俺の場合はそれに加えて、心臓カテーテル検査を受けることになった。
入院期間は1〜2日。正直、寝ている間に終わるものだと思っていたら、局所麻酔だけで意識がある状態での検査だった。これが結構怖かった。
目隠しはされているものの、今まさに何か処置をされている感覚や、体が血で濡れている感触は伝わってくる。気分のいいものではなかった。右手首と首のあたりに局所麻酔をして、そこからカテーテルを挿入していく流れだった。
検査後、麻酔が切れると、カテーテルを入れた右手首に痛みが出てきた。血を止めるための固定具(リストバンドのようなもの)がとにかくきつくて、それも地味につらかった。右手が使えないので、その日の食事はおにぎりや串に刺さったおかずが中心。夜も、手首の痛みと圧迫感でよく眠れなかった。
検査自体は決して楽ではなかったが、心臓の状態を正確に知るためには必要なプロセスだったと思っている。
診断結果と現在の治療
検査の結果、心臓の動きは「少し鈍っている」程度で、幸い投薬治療で対応できる範囲だった。日常生活にも大きな制限はない。
現在は、心臓の機能を助ける薬と血圧の薬を服用しながら、2〜3ヶ月に一度、CT・レントゲン・血液検査で定期的に状態を確認している。生活面では、塩分を控えた食事と、無理のない範囲での運動を意識するようになった。
実は、診断当初は利尿剤も数年間服用していた。ただ、排尿の回数が増えすぎて日常生活に支障が出るようになったため、医者と相談したうえで服薬を中止した。結果的に、利尿剤をやめても特に問題は起きていない。
薬は「一度処方されたらずっと同じものを飲み続けるもの」というイメージがあったが、体調や生活への影響を見ながら、医者や薬剤師とよく相談して調整していくものなんだと実感した。投薬について疑問や負担に感じることがあれば、遠慮せず相談することをおすすめしたい。
薬との付き合い方については、こちらの記事でも触れている。

心不全の一般的な治療法
俺は薬物療法だけで対応できているが、心不全の治療にはいくつか段階がある。基本になるのは、心臓の負担を軽くする利尿薬や、心機能の改善を助けるβ遮断薬・血管拡張薬などの薬物療法だ。それでも十分な効果が得られない重症例では、デバイスによる治療や、補助人工心臓などが検討されることもあるという。
まとめ
心不全は、初期症状が「階段での息切れ」「なんとなく疲れやすい」といった、加齢や疲労と区別しにくい形で現れることが多い。俺自身、まさにそれで発見が遅れかけた一人だ。
動悸や息切れを「歳のせい」で済ませず、少しでも違和感があれば早めに受診してほしい。それが、この記事で一番伝えたいことだ。
脳梗塞と心不全がどう関係しているかについては、こちらの記事でまとめている。

著者:のぞむ(脳梗塞・心不全・糖尿病の当事者)
自分の闘病経験が、誰かの「まさか自分が」を防ぐヒントになれば、このブログを書く意味があると思っています。
※この記事は当事者の体験と公開情報をもとに作成しています。医療上の判断は必ず医師にご相談ください。


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