親や家族が脳梗塞になったら——家族としてできること

親や家族が脳梗塞になったら——家族としてできること 情報・解説

俺が脳梗塞で倒れた時、一人暮らしでした。

入院中、家族がいないことを不便に感じる場面は正直ありました。
手続きを頼める人がいない、話を聞いてもらえる人がいない——
そんな孤独感が、治療やリハビリの気力に影響したと思います。

逆に言えば、家族がそばにいることが
どれだけ患者の支えになるか、ということでもあります。
この記事では「家族として何ができるか」を整理していきます。


まず知っておくべきこと——急いで退職を決めないで

家族が脳梗塞で倒れた直後、動揺するのは当然です。しかしこの時期に、一番やってはいけないことがあります。

本人に代わって退職の連絡をしてしまうことです。

発症直後は病状が安定しておらず、回復の見通しも立っていません。「もう働けないだろう」と判断して会社に退職の連絡を入れてしまうケースがありますが、これは本人の選択肢を奪うことになります。まずは休職制度の確認だけにとどめ、復職の可否は回復の経過を見てから判断してください。

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急性期——病院でできること

① 医療ソーシャルワーカーに早めに相談する

病院には「医療ソーシャルワーカー(MSW)」が在籍しており、退院後の生活設計・リハビリ病院への転院・介護保険の手続きなどを相談できます。声をかけてくれるのを待つのではなく、こちらから積極的に連絡を取りましょう。

② 主治医から病状をきちんと確認する

どのタイプの脳梗塞か、後遺症の見通しはどうか、リハビリはどう進めるかを主治医に確認します。「どのくらいで回復するのか」はわからないことも多いですが、現状を正確に把握することが大切です。

③ 本人の仕事内容・業務を医師に伝える

復職を視野に入れる場合、主治医が「仕事に戻れるかどうか」を判断するためには、どんな仕事をしていたか・通勤時間・業務の負荷などの情報が必要です。できるだけ詳しく伝えましょう。


回復期——リハビリ病院でできること

① リハビリをそばで見守る・一緒に理解する

リハビリは非常にきつく、本人が「もうやりたくない」と感じる時期があります。「頑張れ」と励ますより、「よく続けているね」と見守る姿勢が本人の気力を支えます。

また、リハビリのスタッフから「自宅で続けてほしい訓練」を教えてもらい、退院後に一緒に取り組む準備をしておくと良いでしょう。

② 退院後の住環境を整える準備をする

後遺症の程度によっては、自宅のバリアフリー化が必要になる場合があります。手すりの設置・段差の解消・浴室の改修など、退院前に準備しておくことで帰宅後の生活がスムーズになります。介護保険を利用すると費用の一部が補助される場合があります。

俺が入院していた時、たまに顔を見せてくれる家族や友人や同僚が来た日は
明らかに気力が違いました。

「何かをしてあげる」より、
「そこにいてくれる」だけで十分だということを、
自分が患者の立場になって初めてわかりました。


退院後——家族が心がけること

① 「何でもやってあげる」は逆効果になることがある

家族としては「できることは全部やってあげたい」という気持ちになります。しかし、自分でできることまで手を出しすぎると、本人の機能回復を妨げることがあります。

できないことはサポートし、できることは本人にやってもらう——この判断が回復を支える上で非常に重要です。時間がかかっても、食事・着替え・歯磨きなど自分でできることは自分でやってもらうよう促してください。

② 高次脳機能障害の症状を「性格の問題」と誤解しない

約束を忘れる、段取りが立てられない、感情が抑えられない——こうした変化は「怠け」や「性格の変化」ではなく、高次脳機能障害の症状である可能性があります。

できないことに対して怒らず、「そういう症状が出ることがある」という知識を持った上で接することが、本人の精神的な安定につながります。

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③ 再発のサインを見逃さない

退院後も再発のリスクはあります。「急に手足がしびれた」「ろれつが回らない」「顔が歪んでいる」などの症状が現れたら、迷わず救急車を呼んでください。「以前と同じだから大丈夫」という自己判断が最も危険です。

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家族自身が「頑張りすぎない」ことも大切

介護や支援を特定の家族一人が抱え込むと、介護疲れ・共倒れのリスクが生じます。

  • 介護保険のサービス(訪問リハビリ・デイケアなど)を積極的に活用する
  • 家族間で役割分担を決める
  • 定期的に医療ソーシャルワーカーや主治医に相談する
  • 自分自身の休息時間を確保する

「全部自分でやらなければ」という責任感は大切ですが、長期的に支え続けるためには、支える側の余裕も不可欠です。


まとめ

  • 発症直後に退職を決めない。まず休職制度を確認する
  • 急性期:医療ソーシャルワーカーに早めに相談する
  • 回復期:リハビリを見守り、退院後の住環境を準備する
  • 退院後:できることは本人にやってもらう。何でもやってあげすぎない
  • 高次脳機能障害の症状を「性格の問題」と誤解しない
  • 再発のサインが出たら迷わず119番
  • 家族自身も介護保険・サービスを使い、頑張りすぎない

著者:のぞむ(脳梗塞・心不全・糖尿病の当事者)
自分の闘病経験が、誰かの「まさか自分が」を防ぐヒントになれば、このブログを書く意味があると思っています。
※この記事は当事者の体験と公開情報をもとに作成しています。医療上の判断は必ず医師にご相談ください。

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