脳梗塞と生活習慣——食事・運動・睡眠で変わること

脳梗塞と生活習慣——食事・運動・睡眠で変わること 情報・解説

脳梗塞になる前の俺の生活は、お世辞にも健康的とは言えませんでした。

食事はコンビニや外食が中心。
運動はほぼゼロ。タバコも吸っていました。
「まあ若いし大丈夫だろう」と思っていました。

倒れてから初めて、自分の生活習慣と向き合わざるを得なくなりました。
退院後に変えたこと、意識するようになったこと——
この記事では、脳梗塞と生活習慣の関係を、
当事者の視点から整理していきます。


なぜ生活習慣が脳梗塞に関係するのか

脳梗塞の最大のリスク要因は動脈硬化です。血管の壁が傷んで弾力を失い、血栓ができやすくなる状態です。

関連記事:若年性脳梗塞とは?30代で発症した当事者が解説

塩分の多い食事は高血圧を招きやすく、脂質の多い食事は動脈硬化を促進します。不規則な食事時間や過食も血管に負担をかけます。
(参考:脳神経リハビリセンター「脳梗塞後の食事、どうすればいい?」)

そして、脳梗塞の再発率は1年以内で約10%、5年以内で約30%とされています。
(参考:健康長寿ネット「脳血管疾患予防のための食事とは」)

一度発症した人は再発リスクが高く、再発した場合は初回より症状が重くなりやすいといわれています。だからこそ、退院後の生活習慣の見直しが非常に重要です。


① 食事:血管を守る食べ方に変える

意識して減らすもの

塩分は高血圧の主要因です。日本人の食事は塩分過多になりやすく、加工食品・外食・ラーメン・漬物などには特に多く含まれています。脳梗塞予防の観点では、1日の塩分摂取量を6g未満に抑えることが推奨されています。

動物性脂肪・トランス脂肪酸は悪玉コレステロール(LDL)を増やし、動脈硬化を促進します。肉の脂身、揚げ物、菓子類などに多く含まれています。

積極的に摂りたいもの

魚介類に含まれるEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸が、脳梗塞の発症リスクを低下させるという研究結果があります。また、野菜・果物・食物繊維の摂取量が増えると、脳梗塞の発症リスクが低下するという研究結果もあります。
(参考:脳神経リハビリセンター「脳梗塞予防にはどんな生活習慣が必要?」)

退院後、俺が一番変えたのは食事です。

それまでほとんど気にしていなかった栄養成分表示を
ちゃんと見るようになりました。
糖尿病もあるのでカロリーと糖質、それに塩分と脂質を意識するように。

最初は面倒だったのですが、
続けているうちに「これは食べすぎだな」という感覚が
だんだん身についてきました。


② 運動:血管を鍛える習慣をつける

適度な運動は、血圧を下げ、コレステロール値を改善し、血流を促進する効果があります。激しい運動である必要はなく、ウォーキングなどの有酸素運動を習慣化することが再発予防に有効とされています。

目安としては、1日30分程度のウォーキングを週5日程度が推奨されています。

ただし、脳梗塞後は体の状態や後遺症の程度によって適切な運動の種類・強度が異なります。自己判断で急に激しい運動を始めるのは危険なので、必ず主治医や理学療法士に相談した上で進めてください。

関連記事:脳梗塞後のリハビリ、実際どんなことをするのか

もともと運動が好きではなかった俺ですが、
退院後から意識的に体を動かすようにしました。

最初はリハビリの延長線上で、短い距離を歩くところから。
「健康のために運動する」という習慣が、
倒れるまでほぼゼロだったことを考えると、
これは自分にとって大きな変化でした。


③ 禁煙:これだけは絶対にやめてほしい

喫煙は脳梗塞の独立したリスク因子です。タバコに含まれる有害物質は血管を傷つけ、血栓を作りやすくします。喫煙者は非喫煙者に比べて脳梗塞のリスクが2〜4倍高いとされています。

禁煙すると、リスクは徐々に低下し、数年で非喫煙者に近いレベルまで改善することが知られています。

正直に言うと、倒れる前もタバコをやめようとは思っていませんでした。
でも、脳梗塞になってからは
「もうタバコなんて絶対に吸いたくない」という気持ちになりました。

体の中で何が起きたかを理解してしまうと、
煙草が大嫌いになりました。
禁煙できていない人に偉そうなことは言えませんが、
脳梗塞のリスクという観点では、
タバコをやめることが最も効果的な対策の一つだと思っています。


④ 睡眠:血管の回復時間を確保する

睡眠不足は血圧を上昇させ、血管への負担を増やします。また、睡眠中に血圧が下がらない「非dipper型」と呼ばれるタイプは、脳梗塞のリスクが高いとされています。

さらに睡眠時無呼吸症候群は、脳梗塞との関連が指摘されている睡眠障害です。夜間に何度も呼吸が止まることで血中酸素濃度が低下し、血管に大きな負担がかかります。いびきがひどい・日中に強い眠気がある、という場合は一度検査を受けることをおすすめします。


「完璧にやろう」は続かない

退院後、主治医から生活習慣の改善を言われた時、
最初は「全部やらなきゃ」と焦りました。

でも実際には、完璧にはできません。
外食することもあるし、
運動をサボる日もある。

大事なのは「ゼロにしない」ことだと、
今は思っています。
続けることが目的なので、
高すぎる目標を設定しすぎないことも大切です。


まとめ

脳梗塞と生活習慣の関係をまとめます。

  • 脳梗塞の再発率は5年以内で約30%。退院後の生活習慣が再発リスクを左右する
  • 食事:塩分・動物性脂肪を減らし、魚・野菜・食物繊維を意識して増やす
  • 運動:ウォーキングなどの有酸素運動を習慣化する(主治医に相談の上)
  • 禁煙:脳梗塞リスクを下げる最も効果的な対策の一つ
  • 睡眠:6〜8時間の睡眠を確保し、睡眠時無呼吸症候群に注意する
  • 「完璧にやる」より「続ける」を目標にする

著者:のぞむ(脳梗塞・心不全・糖尿病の当事者)
自分の闘病経験が、誰かの「まさか自分が」を防ぐヒントになれば、このブログを書く意味があると思っています。
※この記事は当事者の体験と公開情報をもとに作成しています。医療上の判断は必ず医師にご相談ください。

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